第2条 毎日,誠実に解け

 数学や英語は「カンがモノを言う」教科だと言いました。そして,数学の問題を解く,という動作をやってみれば分かりますが,要は「問題文を見て何を連想できるか」という点が最大のポイントなのです。皆さんの親御さんは,ほとんど高校数学を学んだ経験があるはずですが,今,数学の問題文を見せても「これ何だったかな?見たことある記号だけど…。もう分かんないなあ。」という反応が返ってくるはずです。大学に行った先輩で数学に触れていない方も同様でしょう。私の経験では,だいたい3週間も解かないでいると,まず解けなくなります。思いつけなくなるのです。こういった独特の感覚,私は「数覚(すうかく)」と呼んでいますが,これは極めてデリケートなものです。まるで水を毎日あげないと枯れてしまうような花のようです。またなぜか筋力とも似ていて,1日休むと元に戻すのに3日ぐらいかかる感じがします。
 そういうことで,第2条は「毎日解け」です。さらに,「誠実に」と付いていますが,これは少し理解しづらいらしいので,追加で話をしておきますが,常日頃から最後までキッチリ答えを出すように心がけなさい,ということです。テスト本番では,皆さんは多少なりとも緊張して「異常心理」になっていることが多いのです。つまり,いつもの8割の力が発揮できれば上出来,ということが多いのですね。何が言いたいのかというと,「本番だけうまくやろうと考えては絶対にいけない。本番で手抜きはできるだろうが,いつもよりうまくやることは絶対できないと思って,日頃から丁寧な答案作りを心がけようね。」ということです。特に共通テストなどのマーク式は,最後の答えのみが採点されますから,ケアレスミスは0点になってしまう怖さがあることを知るべきでしょうね。

 第3条への宿題です。これは私の意見では,受験勉強全般に関わるコツ,最大のコツです。言われてみたら「な~んだ」と言う人もいるでしょうけども,答えを知る前に,こう聞かれたら結構難しく感じるはずです。あなたが「受験勉強の具体的姿とは何か?」,あるいは先生の立場として生徒から「先生,私,受験なんですけど,結局何やれば良いんですか?」と聞かれたとして,その答えをまた,数分考えてみて下さい。

Nasuno Kumao

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