0. はじめに
このブログについて
みなさん,こんにちは。私はおもに高校で数学を教えています。いきなり最初から以下,長い文章になってしまいましたけれども,ご了承下さい。私の経歴は,塾時代や他も含めると,20年近くになります。プロとして10年も教えていれば,だいたい同じようなことを言って教えている自分に気がつきます。それは受験数学のコツであるとか,苦手な子がどうやってそこから脱出するのか,といったアドバイスなどですね。別の表現をすれば,「先生,数学どうしたら良いんですか?教えて下さい!」といった問いに,できるだけ正面から,かつ誠実に答えていきたいと常々願ってきました。
そうした日々の仕事の中で,教訓というか,だいたいこうやれば良いのではないか,という言葉がだいぶ溜まってきたので,ある日思い立って,自分がいつも語っている「大事なポイント」を一度まとめてみようと,あふれ出すままに書いてみたことがあります。それから,そのまとめを基盤にして,さらに受験数学の指導に磨きをかけてきたように思います。
私はこれから,このブログにおいて,私が知り得た「数学を得意にするコツ」を,直接会えない皆さんにお伝えしていこうと思っております。理由はいろいろあるのですが,もうとにかく「伝えたい!!」という気持ちが止まらなくなってきたので,ここで,皆さんの前で発表し,微力ながらお役に立ちたいと思っています。
なお,「コツ」とは言いましたが,書いてみると決してただの要領の良い話ではないなと思います。後述の「ノートの取り方」を見ていただければ分かりますが,実際にやってみると,割とキツイでしょう。それは自分の頭の中に,新しい思考回路を作り上げることだからです。問題の解法を,模範解答を写しながら考えながら,理解して覚えていく,という勉強は,1問に最低でも30分は優にかかってしまうでしょう。ただ,私はこれは報われる努力であり,言い換えれば「根性を具体化した勉強法」であると思っております。
私が対象と考えているのは,以下のような皆さんです。
(1) 良い成績を取って,大学の推薦を得たり,奨学金を得たりしたい。
(2) 家計の問題などで,どうしても学費の比較的安い国公立大学しか進学できないから,最低でも共通テストの数学を取らないといけないのに,どうも苦手で困っている。
(3) 中学数学までは何とかこなせていたのに,高校になって急に難しくなって,苦手になったが,また得意科目にしたい。最低でも足を引っ張らないようにしたい。
(4) ご実家がお医者さんであるとか,自分は医者になりたいといった理由などで,どうしても医学部に合格しないといけないのに,数学がネックで困り果てている(こうした方は,日本全国にいらっしゃると思います。親御さんもお悩みでしょう。)
(5) 数学を大得意科目にして,苦手な英語や国語のカバーをしたい。
(6) 小学生や中学生だけど,得意な算数・数学をさらに伸ばしてみたい。あるいは苦手だけど,何かキッカケが欲しい。
(7) 地方や離島といった,塾や予備校がなかなか近くにない。今は衛星教室やSkypeもあるが,それもいろいろ事情があって利用できない。あまりお金を使わずに自分で何とかしたい。
(8) もっと”根源的”に,数学のテストで良い点を取って「ドヤ顔」してみたい。(ホンネはそういう人多いと思いますが…)
(9) その他,どうにか,数学を何とかできないんですか?先生!!という生徒さんたち。
今思いつくのは,このあたりですが,私の狭い見聞では,どうも受験数学の勉強法を,もっと生徒目線に立った,本当に役に立つ,具体的で実戦的なコツを集めたモノ,というものを知りません。
私は声を大にして言いたいのです。数学が分からない,と言って問題集の上に涙をこぼす前に,一度私の話を聞いてもらえないか,と。実際にそうやって泣いている生徒の後ろ姿を,私は何度も見てきましたが,担当でないあまり縁のない子だと,そうお節介もできないものなのです。
そういういろいろな思いがあって,今回,私流ではありますが,「数学を得意にする方法」を順次書いて,皆さんのお役に立てていただければ,と強く願っております。
なお,おそらくは相当,お役には立てると期待していますが,経験上,中にはこのアドバイスが効かない生徒さんもいます。まず今回先に指摘しておきたいのは,「計算ミスが多い人」です。まるで底に穴の開いたバケツで水をくむような状態の人ですね。こういう人は例えば『小河式プリント』などで中学数学レベルの計算を,ミスなくできるように,「分かるところまで戻って」やり直してみて下さい。意外に時間はかからないだろうし,けっこう楽しくなってくるはずなので,下のレベルに行くことを恥ずかしがらないで,計算練習に励んで下さい。
最初にいくつかお断りしておきます。私は学校の先生という立場なので,口調がどうしてもいくらか「上から」になりがちです。また,条文などは命令形で書いてあります。これらは「生徒にとっての分かりやすさ・思い出しやすさ」を最優先しますので,多少のことは気にしないで読んでいただいて,その真意をくみ取ってくれると助かります。年の離れた皆さんにマウントしても仕方ないですからね,そういう意図は全くありません。また,同業者や数学者の方にもお断りしますが,分かりやすさを優先しますから,数学上の厳密さはある程度犠牲にした表現が多くなると思いますので,その点はご了解いただきたいと思います。
注意点です。これから述べることを用いて,皆さんがいかなる結果になっても,著者の私は一切の有形・無形の責任は負えませんから,あくまでも自己責任で使って下さい。また,著作権は著者の私が保有しておりますので,無断転載・無断改変は禁止とします。皆さんの良識に期待し,お互いハッピーになりましょう。ブログ開始後,どこかの時点で,生徒の皆さんからの問い合わせにも,時間の許す限り,答えることもしてみたいと思います。繰り返し聞かれることは,いずれFAQとしてまとめてみたいと思います。
さて,これから記事を書いていきますが,ここまで読んでくれた生徒さんに,次の記事までの宿題です。今後はこうした形で「まず自分の頭で数分は考えてみる」ことをお願いしていこうと思います。
第1条の記事までの宿題:「あなたが数学を得意にするためには,まず何をすれば良いと思いますか?」1分以上考えてみて下さい。
それでは,また次回。
追伸:スマホでご覧になる皆さんのことも考えて文章はあまり長くしたくないと思っていますが,私はどうしても長くなるクセがあるので,そこはご了承下さい。
Nasuno Kumao