第1条 手を動かせ

 さて,宿題は考えてもらえたでしょうか。皆さんは「数学を得意にするためには?」の問いにどんな答えを出したでしょうか。もちろん,私と違っていても良いのかもしれませんが,前回のイントロダクションで語った通り,「本番に一番近い形で毎日練習」という最初の方針から考えて,第1条は「手を動かせ」としました。このブログのロゴもそう思って選びました。
 ここでまず極論を恐れず,あえて断言しておきます。手を動かさない勉強は,数学の勉強ではありません。なぜか。数学は,書いて理解し,書いて覚え,書いて考えるものだからです。また,不思議なことですが私の経験によると,数学を解く脳の働きというのは,手が止まると,脳も止まってしまいます。よく「手をこまねく」と言いますが,腕組みをしたまま数学の問題というのは解けるものではありません。何かしら紙の上で書かないと,まず進まないものです。
 従って,意外と気付かないのですが,数学で躓いた時に何か良い本を読んだりしても遠回りなのです。数学を何とかしたい,という生徒さんによく見受けられるのは,例えば教科書を読み直したりすることですけれども,まあ大事ではあるが,遠回りです。
 そうではなくて,日頃の授業の予習復習では,教科書の例題を解答を隠して,ノートに解いてみる。あるいは模試や入試演習などでは問題文を見て,文字を置いてみたり,条件を式に直してみたり,具体化したり(詳細は後日)する。特に数学の教科書等は非常に抽象的にまとめられているので,具体的な問題を解くことを通してその「ハート」や「考え方」を理解していくことがとても大事なのです。従って目で追うだけで済ませてはいけません。かならず紙とシャーペンを用意するのです。繰り返し言いますが,まず手を動かすことを心がけて下さい。この条文は,入試演習レベルでもまた違った側面を見せてくると思います。

 では,第2条への宿題です。数学や英語は「カンがモノを言う」教科だと言われます。ではどうしたら良いのでしょうか?数分考えてみて下さい。

Nasuno Kumao

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