複素数平面(Ⅲ)

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 <2022年5月25日追加>ここを訪れる方が増えてきましたので,少し書き加えておきます。何か困って来ていると思いますので,何かポイントめいたものを書いておきます。おそらくは全く慣れないのでしょうが,この単元に限りませんけれども,数学の新しい単元をマスターするには,まずは教科書の例題と応用例題,傍用問題集の例題の3種類を,マスターしましょう。模範解答を隠して,ノートか紙の上で解くのです。できなかったら再現練習しましょう。3回は繰り返して,問題文を見たらすぐ手が動くまで反復練習,が重要です。その際,できれば「なぜこうするのだろうか」を理解しましょう。例題の解法を理解して覚えることが,高校数学の学習の基本です。<追加終わり>

 昔の課程では「行列」が入っていましたが,ここ最近はこちらに代わっていますね。私としては,大学教養レベルで重要な「線形代数学」の入門編としての行列を学習させた方が良いと思うのですが,いかがでしょう。この単元では,複素数という「2つの要素を持った数」を,そのまま「2次元平面の点」と同一視してしまうことで,いろいろ便利になるよ,ということです。もちろん,これはこれで電気工学等で重要らしいです。
 この単元では,複素数の計算処理と,図形的動きの対応を理解することがメインで,あと重要な公式は,|z|^2=z・bar{z}という絶対値の2乗の扱いが,あちこちで活躍します。また,回転移動の計算は,基本的にここで学ぶ「原点回りのθ回転=(cosθ+i・sinθ)を掛けること」という数学的事実に頼る他ないでしょうから,これもポイントですね。
 新たに習う「極形式」は積・商や累乗を扱うには便利な,新しい道具です。後は,円の方程式や垂直二等分線の方程式など,基本的な方程式の形は覚えないといけません。図形の方程式とは,図形の「不変な性質」に着目して作っているはずですから,そこを見て覚えましょう。円なら|z-a|=r となっていますが,これは「定点 a からの距離が一定値 r」という点の集合ですから,円を描くのですね。ただ,底は比較的浅い単元だと思いますよ。

ではまた次回。

Nasuno Kumao

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