数列(B)
歴史的にはかなり古い題材にあたるもので,数Bのもう1つの単元である,「ベクトル」と比べても非常に重厚な単元です。ざっと言うと,非常に緻密な処理が求められる所です。まずは「タチの良い」等差数列,等比数列から入り,数列のおもな話題である,「一般項を求める」「和を求める」ことの基本動作を学びます。公式もたくさん出ますが,ただ覚えるのではなくて,その証明のアイデアも理解して覚えておきましょう。その後,階差数列や群数列であったり,格子点のカウントなどを学んだ後は,いよいよ「漸化式」です。
これは数ⅡBの「東の横綱」級の難所でしょう。まずその「数列発生装置」とでも言うべき漸化式の意味を理解した後,およそ10数種類にもなるタイプ別に解法を整理しましょう。全体のポイントとしては,「等比に持ち込む」ことが基本動作となります。
そして最後には,極めて重要な証明法の一つ,「数学的帰納法」を学習します。これは無限個ある「自然数についての命題」の証明が,数ステップという有限の手続きで出来てしまう,という素晴らしい証明法です。「ドミノ倒し」のイメージで理解しましょう。特に不等式の証明は厄介です。入試でも本当によく出てくる証明法ですね。大学の代数学の教科書にも頻繁に出現します。
ではまた次回。
Nasuno Kumao