微分法(Ⅱ)
微分の役割は「曲線のふるまいを調べる」ことです。つまり,2次関数より複雑な「3次関数」や「4次関数」その他いろいろな関数のグラフを書きたい時に,微分しようか,となるのです。ではそれをどうやって実現するのか,ということですが,まずその一方で,丸い地球も住むときゃ平ら,という「微分のハート」を理解して下さい。どういうことか,というと,丸いボールのはずの地球が,それに比べて非常に小さい私たちの目から見ると,どうしても平らに見えますね。ここから考えると,「滑らかな曲線は,小さく限って見ると,そこではほとんど真っ直ぐ」ということですから,曲線のふるまいは,ごく局所的には接線とほぼ同じふるまいをする,ということです。だから,接線で近似することができます。これが分かると,なぜ「接線の傾き」が大事かということが分かるはずです。接線の傾きが正なら,その曲線はそのあたりでは増えてるっていうことです。
教科書はいきなり平均の速さから始まり,次に瞬間の速さにつながっていますが,この導入では,たぶん微分を学ぶ意味が分かりにくいと思います。
だから,先に結論を言っておきました。曲線を調べる道具,それが微分です。
なお,ここでは「限りなく近づく」という「極限」の考え方も初めて学びます。
ではまた次回。
Nasuno Kumao