受験生・浪人生の勉強法 どの本がいいんですか(1)
まず,基本的枠組みとして,次の4つのレベルに分けて私は考えています。
(1) 定期テストレベル:教科書と傍用問題集のレベルで,つまりは学校の授業で基本的に扱っている内容。おもに「例題3種」が学習対象。
(2) 入試基礎レベル:(1)よりやや高度な内容を含み,入試で頻繁に問われる内容を扱った問題。1問につき,マスターすべきワザ,処理法は1つであることが多い。ここに穴があると,(3)に進めないから,手を抜かないこと。
(3) 入試標準レベル:(2)で学習したワザを複数,連携して使わないと解けない問題で,かつ典型的な問題。ここをマスターすると,合格の必要条件が整う。
(4) 過去問・赤本レベル: (3)でマスターした解法を,志望校の傾向に合わせていく。ここは特に時間の使い方を,本番に近い状態で訓練することを意識していくのも大事。特に共通テストは時間との闘いになる。
以上を前提として,プランニングにも使って下さい。
さて,お待ちかねの「どの本が良いか」ですが,これは経験上,数学の受験勉強では致命的に重要だと思っています。つまり,どの本を選ぶかで,あなたの受験勉強がはかどるかどうか,が決まってしまいます。もちろん,100パーセントの本,というのはまずありません。使うのは市販の問題集で充分役に立ちます。ただ,自分との相性,というのを大事にして下さい。私は自分の時もそうだったので,かなり教材については研究しています。
次回で,私が選ぶ定番のものを紹介しますので,書店に行くときの参考にして下さい。もし,2冊まで絞って,決められないなら,親御さんにお願いして,両方買うのもアリです。それでそれぞれ1週間ずつ使ってみて,解答の読みやすさとか,見やすさとか,頭にすーっと入ってきやすい,といった自分の感触で選んで下さい。もちろん,あまりにも志望校のレベルから離れたものは使えませんから,ある程度の妥協は必要です。
ちなみに,今のあなたにとって,適切な問題集のレベルとは,
○1回目,初見で解ける問題が,最低3割はある。つまり,解けたり解けなかったりが,適当に出てくる問題集が良い。
○2回,3回と繰り返して,結局は9割解けるようになるのが理想。そのためには,教訓の残し方が大事。
長くなったので,推薦書の書名はまた次回で。
ではまた次回。
Nasuno Kumao