受験生・浪人生の勉強法 どの本がいいんですか(2) 推薦書

 (2) 入試基礎レベル
  ○「チェックアンドリピート」シリーズ(Z会出版)。
   東大・京大や医学部志望者には,基本的にこれを薦めています。ややひねった問題が多いのと,問題数もそこそこ(ⅠAで約300問,ⅡBで約400問,Ⅲで約300問)。
  ○「数学基礎問題精講」シリーズ(旺文社)
   そこそこの大学や,文系で共通テストのみ受験の人,理系でそこまで高いレベルの大学を志望していない場合など,上記の「チェクリピ」が難しすぎてこなせない場合。
 これも名著の一つで,私はこれを私大医学部向けの指導をしている塾で紹介されて,中身の良さに驚いた覚えがあります。問題数も「チェクリピ」の半分ぐらいで,「食べやすい」問題が並んでいます。また,別売りの「例題ノート」があって,それをコピーすると,理想的な問題演習ができますね。

 (3) 入試標準レベル
  <理系> 

   ○「やさしい理系数学」(河合出版),私自身が数学の先生になるための再勉強で,自分の核教材として採用しました。それぐらい相性は良かった本です。別解が多く,参考になります。
ただ,「やさしく」は無く,歯ごたえ十分です。この上に,同じ著者による「ハイレベル理系数学」があって,その比較でそう書いてあるだけです。でも良い本ですね。
   ○「入試の核心 理系標準編」(Z会出版),青と白のツートンカラーの印刷が,なぜかリケジョに好評。「色かよ!?」とツッコミたくなりましたが,どうもそういう気に入り方もあるようです。
1ページに易しい順から3問ずつ,同じ分野の問題が並んでいます。
   ○「理系数学の良問プラチカⅠAⅡB」「同Ⅲ」(河合出版),文系と並んで東大受験生には良い感じですが,2冊あるのと,Ⅲの極限が難しいらしいので,最近は薦めていません。ただ,良い本の一つです。

  <文系>
   文系は東大・京大・阪大・一橋大あたりが難しいのですが,次の二択かな,と思います。
  ○「入試の核心 文系編」(Z会出版),こちらは緑と白のツートンカラー。
  ○「文系数学の良問プラチカⅠAⅡB」(河合出版), こちらは東大文系受験なら,一択かも,というぐらい有名な本でしょうね。
  まあ,相性があるので,自分で書店で見比べて下さい。

 (4) 過去問レベル
  通常の大学なら,(3)まで終われば,後は過去問5年分(~10年分)でいけるはずです。
  ただ,東大受験は次の本をはさんで下さい。
   ○「東大数学で1点でも多く取る方法」(理系編,文系編)(東京出版),有名なベテランの安田先生による,生徒目線の解法を紹介する,良い本です。
   ○「世界一分かりやすい東大文系数学」(中経出版),過去の教え子で,これが良かった,という生徒もいましたので,候補に挙げておきます。(→2021年9月22日追記,どうやら絶版のようで,中古でも数倍の値段になっていますから,候補からは外れることになりますねえ。残念。)
  新刊がもし出ていたら,やはり書店で比較しましょう。
  できれば学校の進路指導部で,見本として揃えてもらった方が良いと思いますが。(もちろん自分の分は,買うんですよ?)

 はい,以上が私がいつも薦めている本です。

 追加で少し。
  <とっても苦手な人向け>…必ず書店で見てから買うように。
   ○「高校 これでわかる 数学Ⅰ+A」他シリーズ(文英堂)
    授業の予習用とか,苦手な人の自習用。
   ○「単問ターゲット」シリーズ(旺文社)
    上の教材でもキツイ人は,これで反復練習してみよう。
    まずは「2次関数」をマスターしていこう。自信がつくよ。

  <理系積分練習には>
   ○「合格る計算 数Ⅲ」(文英堂)
    数Ⅲの積分カードが巻末に付いている。これ便利。

ではまた次回。

Nasuno Kumao

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