若手指導者への手紙(2)

 最近よくニュースで流れるようになりましたけども,学校の教師は確かに忙しいです。だいたい最低でも4つの仕事を持っていると思って下さい。

(1) 教科担当(数学科の先生),
(2) クラス担任や副担任(学年団所属),
(3) 校務分掌(教務部,進路指導部,生活指導部など),
(4) 部活動の顧問,副顧問。
 さらには委員会(学級委員会,図書委員会,保健委員会など学校による)の担当もあると思います。
 特にクラス担任の負担はかなり大きく,ここで不登校児や,発達の偏りのある生徒を担当すると,指示が思うように通らないので,かなりのエネルギーを割かないといけないだろうと思います。ここは…普通の他の仕事をされている方には信じられないでしょうが,例えば,いろいろ説得して「明日は行く!」と子どもの言質を取っても,このタイプの子はその日の朝の気分にとても左右されますし,何か一つ引っかかると,どうしても身体が動かない,ということがあって,結局その日も学校に来られないことが多いのです。「あの説得の数時間は,何だったのだ」とこちらが,無力感に苛まれることがあります。これはホントに当事者でないと理解できないです。まさか,あんだけ言ったのに…という感じですよ。

 また基本的に,保護者対応には気を遣いますから,先輩教員や学年主任などの意見も聞きながら対応しましょう。

 いろいろと悩みを,あまり自分で抱え込まないことが大切かと思います。吐き出すだけでもラクになりますし,人に言うのはどうも,という内容なら,要らない紙の上に,言いたいことを書き出してしまって,シュレッダーしてしまいましょう。スッキリしますよ。でもその後は建設的になりましょうね。


 さて,こういったある意味,一見過酷な環境を「ブラックだ」と言って回っても解決は当面しないと思いますので,そこは仕事術を開発,習得していくしかないでしょう。特に相談できる同じ学校の先輩教師の皆さんがどうこなしているのか,その先達の経験に学ぶ姿勢は,教育界に来た以上は忘れてはいけないことだと思います。自己流だといろいろ迷惑をかけますし,「あれだけ苦労したのに,こんなわずかな工夫で何とかなるんだ」と思える場面というのは,学校の現場では本当によくあることなのです。ちょっとしたコツが,あなたの職場環境を大きく変えることがありますから,よくよく学んで,良いとこ取りでいいから,日々工夫を重ね,吸収していって下さい。全国の教員は,皆,似たような悩みを持っていて,いろいろ解決している方もいるはずですから。

 一例を挙げると,よく職員室内で教員向けのアンケートとか回覧が,回ってくると思いますが,基本,即断即決で,すぐその場で処理しましょう。配る方は気を遣って「来週までで良いですから~」とか言われますが,その場で書いてしまえるのなら,その場で書いて配ってる最中に返答するぐらいのスピーディーさがあっても良いと思います。私もこれを本で学んで実践して,ラクになりました。

 私の願いとしては,最初の3年を何とか耐えて,仕事に慣れてほしいと思います。場合によっては,自分の学校内だけでなく,周囲の先生方との交流も心がけると良いかもしれません。残念ながら,私の子どもが小学生のとき,担任だったⅠ年目か2年目の若い先生がお辞めになったことがあって,何とも気の毒だったことがあります。志を持って,日々工夫を重ねて下さい。

ではまた次回。

Nasuno Kumao

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