第4条 「分かる・解ける・取れる」

第4条は,数学で点が取れない時は,「分かる・解ける・取れる」の3つの観点から分析せよ,です。
 受験数学の世界では,以前から「分かると解けるは違うよ」と言われていたようです。まあ私も関連本を読んで知ってはいましたが,その後,教師として指導を始めると,この2点だけでは結果が出ないことが,ままあることに気づきました。直接には,それはセンター試験の数学の指導においてでした。何か足りないなあ,と思っていたら,「ああ,これは取れないのか」「取る工夫」を加えないとちゃんと点にならないのではないか,という直感を得ました。
 その後,関連本を読んでいくと「学力と得点力を区別しないと,足をすくわれることがある」という記述があり,我が意を得たり,と思いました。ノーベル賞級の学者さんでも大学入試浪人の経験がある,と書いてありましたから,なるほどと思った覚えがあります。
 そこで「学力」を「分かる・解ける」に分けて考えて,「得点力」を「取れる」に変えました。そうして,「大和言葉」に変えたのがこの条文です。
 「分かる」とは,何のためにこの単元の内容はあるのか,例えば微分法は何のためにあって,どういう発想でそれを実現するのか,を高校生レベルで良いので理解すること。そういう風にして,高校生の自分なりに,この単元の内容を学ぶ意味をある程度は納得して,学習を進めることを意味します。人間は知的動物で,自分のやっていることの意味を知りたがる者ですから,これは意外と大事ですし,教える側に立つ人は,ここを心がけてあげてほしいな,と思います。
 「解ける」とは,「例題3種」の解法を理解暗記することが中心となります。時間がかかります。でも分かるが埋まっていると,前向きになれますね。
 「取れる」とは,テスト本番における知恵のことです。見直しや検算のことなど,いろいろあるのですが,大事なので,後の条文にして提示したいなと考えています。
 数学で躓いたら,この3点からチェックすると良いことが多いのです。なお,エネルギー配分は,「分かる:解ける:取れる=2:6:2」ぐらいに考えて良いと思います。

 第5条への宿題です。数学と算数の違いは何でしょうか?

 ではまた次回。

Nasuno Kumao

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です