第23条 難問対策(3) 前の結果を使え

 これもまた基本動作中の基本の一つですね。東大レベルに限らず,大学入試問題,模試や定期考査の発展問題によくある形式が,複数の小問で構成された問題です。(1), (2), (3), (4)と並んでいる問題ですね。これは,直接解かせると,とてもじゃないが高校生には無理でしょ,という場合に,その誘導を出題者側で付けているのですね。いわゆる「ショートステップ化」というものです。従って,解く側の立場としては,小問を次々に解いていくわけですが,その時に「これは前の小問の結果を使うのではないか?」と発想することを,基本にしてして下さい。つまり誘導に乗る,ということです。
 また,記述式の模試もよくこの形式になっていますが,これは模試の要請として,参加者の母集団をある程度,偏差値で輪切りにして成績をつけないといけないからです。つまり,ざっくり言うと,だいたいこんなイメージです。模試の大問のうち,
 (1)が解けると,偏差値45~50 ぐらい。(教科書の例題レベルが多い)
 (2)が解けると,偏差値55~60 ぐらい。(教科書の章末問題レベルが多い)
 (3)が解けると,偏差値65~70超え ぐらい。(参考書や傍用問題集の発展から章末演習問題レベルが多い)
という構成になっていることが本当に多いのです。だから,これは「前の結果を使う」ことが基本動作になるわけです。
 さらに,この構成を逆手に使う「ウラ技」が存在します。特に証明問題でこういう小問に分かれているとき,途中の段階の(2)とか(3)がとてもギャップが大きくて解けないんだけど,これらの結果を仮定すると,その後の(3)とか(4)の証明が割と容易にできる,というパターンです。
 これは,残り時間も加味して,後日条文にしますが,部分点を狙って,「(3)の結果を正しいとすると…」「仮定すると…」と書き始めて,その後ろの小問だけ解いてしまう,というものです。これは数学の証明というのは,○○ブロックのようなものですから,そこだけ証明できれば,何点かはもらえるはずです。だから,簡単に諦めないことですよ。

 ではまた次回。

Nasuno Kumao

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です