第7条 ケアレスミスはそのつど対策せよ

 高校生が数学でヤル気をなくす原因の一つとしては,計算ミスが大きいと思います。解法は合っていても,答えが間違っていると,やっぱりカクッときますよね。過去出会った,東大や京大など最難関大に合格する生徒っていうのは,このあたりはキッチリしていたと思います。ミスをあまりしないのと,何かリカバリーする手を持っていたように思います。解くスピードが速いので,見直しを3回も4回もできたりしていました。私自身のことを思い出すと,中学数学でのミスが悔しくて,その都度,何かしら工夫をしていました。例えば,
 ○足し算は,なるべく「10のカタマリ」を作る。足す順番は任意(どの順で足しても良い)だから,一の位が「6と4」「7と3」同士を先に足す。
 ○掛け算は,なるべく「10,100,1000のカタマリ」を作る。例えば,
  25×4=100,125×8=1000などという工夫。
 ○時間の余裕があれば,計算を複数のやり方でやり直してみる。
  例えば,19^2-7^2 (^2 は2乗っていう意味です。)を,そのままやってもいいけども,因数分解の公式を使って,19^2-7^2=(19+7)(19-7) と計算してみる,とか。
 ○中学の時に,クラス全員から50円集める,という話になって,総計金額を係の友達が筆算で出そうとしていたので,瞬時に「人数を100倍して半分にする」という計算をやってみたことがある。そういう工夫もありますね。
 高校数学の段階では,中学数学の代数計算は,無意識に正確に速くできないと,かなりつらくなります。解法を理解して覚えないといけないので,計算ミス等で足を引っ張られると,本当につらくなりますからね。

 ただ,残念ながら,これさえやっておけば,という特効薬は,私はまだ分かっていません。間違い方っていうのは,細かく言えば一人ひとり違いますので,最後は自分流で何か対策を打つしかないかなあ,とは思っています。簡単な対策としてよく見られるのは,
 ○少なくとも数字そのものをしっかり書く。0と6,3と5,1と7の区別など。特に男子に,ここらへんができていない生徒が多いですね。それで自分を自分でミスリードしてしまっています。見直しすれば良いのですが,時間的な余裕がないようですね。
 ○テストの採点でよく見かけるのは,式を転記していくときに,「+」を「ー」に書いてしまっていることがある。
 ○問題文の見落としなどは,模試や入試なら問題文にアンダーラインしていく。問題集の問題文はキレイなままにしたいので,アンダーラインしたいときは,問題文だけコピーしておくのもアリ。
 まあ,難しく言うと,いわゆる「原因と結果の法則」ですね,火のない所に煙は立たないということです。ミスという結果と,自分のクセという原因の間のつながりを発見するように,解いている時の,自分の頭の動き方を反省・チェックしてみる。何か悪いクセがついているのではないか,とか。それを元に,自分のクセをつかんで,見直し時にそこを注意して対策を立ててみて下さい。

 共通テストなどのマーク式試験は,答えしか採点されませんから,日頃から,ケアレスミスはミスと認めて下さい。これは第2条「誠実に解け」でも触れました。

 では,第8条への宿題です。人間の努力は,そのつど報われると思いますか?

 ではまた次回。
 
Nasuno Kumao

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