第15条 似た問題が出たら次どうするかを一言でまとめよ

 うーん,これはですねえ,高校数学を教えていて,しょっちゅう私は言っています。それぐらい大事なことですね。数学の授業や講習,演習の時間には,問題を解いていますけれども,テストや模試,入試では,全く同じ問題というのは,まず出ませんよね。でも,「似た問題」が出ます。だから,「ノートの取り方の提案」(2 応急処置編)で言ったように,解いた経験と学び,教訓といったものを,右下の欄に赤文字でまとめることが,とても大事なわけですね。ここでまとめた事は,試験の現場の自分へのお土産だと思って,真剣に取り組んで下さい。別の表現をすると,「このタイプの問題は,要はこうすれば良いのだ」ということを,自分なりの表現でコンパクトにまとめる,ということです。まあ,まとめ方のお手本は「チャート」などの参考書でしょうか。
 問題演習の意味は,実にここにあります。1問解いた経験が,似た問題を5問も10問も解けるように,知識を知恵に変えて蓄えておきましょう。だから,できなくてもあまり気に病まないで,模範解答にきっちり学んで,次はできるようにしましょう。

 なお,この条文に関連して,第3条「3回繰り返せ」について,追加で書いておきます。「3回まわしました!!」と喜んでくれる生徒もたくさんいますし,彼ら自身も,「3回繰り返すと自分がどう変わるのか」を実感できて,うれしいようです。
 ただ,これだけではまだ,点にならない人も,いることは事実です。
 それは何が問題なのか,と考えてみると,今日の段階ではこうかな,という話を残しておきます。「input と output」という観点ですね。これは問題を解いている生徒の目線で考えると,点にならないということは,outputに何か問題がまずあります。それは,
 ○ 練習量,演習量の絶対量が足りていない。場数を充分踏んでいない。経験が足りない。
という意味でのoutputです。だから,これは引き続き,点が取れることを念頭に,練習を続けていくことになります。
 では,inputはどうか。試験の現場へ向けてのinput,となると,やはり,この「似た問題が出たらどうするか」の,「知識の残し方」に何か問題があった,と思います。私は直接の教え子たちには「ノートを見せてね」といつもお願いしています。それは,「残し方」が下手な人は,模試の成績が良くないのです。傾向としてですね。
 そういうことで,3回まわしたんだけどなあ,と思っている生徒さんは,inputとoutputに何か修正点はないかどうか,チェックしてみて下さい。
 

 第16条への宿題です。あなたは,無理数の定義を即答できますか?

 ではまた次回。

Nasuno Kumao

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