第8条 最低3か月は努力せよ~「L字カーブ」の秘密
あくまでも経験則ですが,人間の努力というものは,必ずしも一直線には報われるものではなく,むしろ「階段状」に成長していくようです。私はこれを「L字カーブ」の秘密と呼んでいます。具体的に話をすると,人間が何か良いことを始めようと思って,続けていく場合ですね,例えば経験のない運動の部活に入る,あるいは勉強の習慣をつける,といったことで考えて下さい。
その時,何か報われるというか,何か自分が変わったという感覚が出てくるのが,なぜかいつも,「始めた日から1週間,1カ月,3カ月,6カ月,…」という間隔で,その成果,成長できた感じ,「あ,変わったな」という感覚がしてきます。キッチリその日ということではもちろんないのですけども,その前後で変化があります。何をやっても,だいたいこうなるようです。
だから,私の話を聞いて,「よし,数学頑張ろう!!」と思えたら,まず手元のカレンダーの3カ月先の日付に星印をつけましょう。無い人は張り紙でも良いでしょう。そこまでは,何があっても頑張り抜くぞ!!と決意を固めて下さい。さらに始める日の1週間後,1カ月後にも星印をつけましょう。これは努力の秘訣でも大事なものかと思いますが,この3つの時期が「一里塚」なのだ,と思って,日々努力しましょう,というのが,今回のお話の趣旨です。
やってみれば分かりますけども,まず最初の1週間を耐えて下さい。初めの1~2日は勢いがあってできますが,問題は3日目から4日目です。ここらへんで,今までの「怠けていた自分」の「慣性」が出てきて,「もういいじゃな~い」とネガティブなささやきが聞こえてきます。いわゆる「三日坊主」現象ですね。だから最初のポイントは,ここでグッと耐えてやり切ることです。ここは誰しもツライので,この3日目から4日目では,こなす量をここだけ少し減らしてでも,やり抜いて下さい。そして最初の1週間,続けることができれば,この新しい習慣は,あなたのものになっています。何か「薄紙をはがしたような」感覚がするはずです。
さらに1カ月目まで続けると,また何か変化を感じるでしょう。そして,始めてから3カ月,続けることができれば,ハッキリ良くなってくるはずです。この半月前ですね,2カ月半から3カ月の間がまるでマラソンの「胸突き八丁」の坂みたいに感じるでしょうけど,そういうもんだと思って,努力を続けて下さい。この時期は努力しても上がってこないので,投げ出したくなると思いますけれども,一里塚を目指して歩き続けて下さい。
なお,成績にハッキリ効果が出るには,通常,半年かかります。早い人だと3カ月後に上向く人もいるでしょうけど,これも焦らないことです。だから,最低,3カ月,努力し続けて下さい。きっと景色が変わるはずです。頑張りましょうね。
ここまでで「基礎編」とします。次からは,「中級編」とします。
第9条への宿題です。数学の解法はどのレベルまで覚えれば良いのでしょうか?
ではまた次回。
Nasuno Kumao